着せ替え人形「バービー」は1959年に誕生して以来、常に最新のファッションを取り入れて世界中の子どもたちに支持されてきましたが、また新しいトレンドを受け入れる姿勢を見せました。
Instagramにバービー公式アカウント(@barbiestyle)が投稿したのは、バービーともう1人の女性が“LOVE WINS”と書かれたTシャツを着ている写真です。
バービーと一緒にいる人形は韓国系アメリカ人でインテリアデザイナーのAimee Songさん(@songofstyle)がモデルです。
Aimeeさんは人気ブロガーで、Instagramのフォロワーは210万人を越えています。雑誌「Forbes」が選ぶ30歳未満のリーダーをまとめたリスト「2016年の30アンダー30」に選ばれたことも。
Songさんは“Love Wins”のTシャツをデザインし、売上をLGBTQの人たちの自殺予防のために活動している非営利団体「Treverプロジェクト」の資金とするアイデアを提案。それにバービー人形を製造・販売するマテル社が賛同した形です。
Songさんは自身のブログでこのように説明しています。
私の友人の多くはLGBTQコミュニティーにいて、人生が常に生きづらいことを知っています。ですが、彼らは今皆生きていくのに絶好の場所で“It Gets Better”(より良い人生)を過ごしている素晴らしい例です。
私は本当に“愛が勝つ”と信じる味方として、Treverプロジェクトの活動資金のためにTシャツを作ります。何人かの子どもたちが自身の人生をより良くなると思えず自殺してしまったことに非常に胸を痛めています。なので、Treverプロジェクトが必要な人のために存在していることが嬉しいのです。
エイミーの人形と人形用の“LOVE WIN”のシャツは、残念ながら子どもたちのおもちゃとして発売はされませんが、大人が着られるサイズのTシャツが68ドルで販売されます。Tシャツの売上の50%がプロジェクトの資金に充てられます。
女性の活躍を示すバービー人形
マテル社ではSheroes Collectionという名称で、実在の活躍している女性をモデルにした人形を発表するという企画を行っています。
最近ではオリンピック選手のイブティハージ・ムハンマドさんがバービー人形に。ヒジャブを身につけた人形は初めてです。また、モデルのアシュリー・グラハムやバレリーナのMisty Copelandさんも“バービー人形”となりました。
以前から、現実世界をより正確に反映した人形で子どもたちに遊んでもらいたいという考えから、様々な体型や肌の色、宗教の違う女性を模したバービー人形のシリーズを発表し続けてきました。
そうした信条を持っているからこそ、今回のSongさんのアイデアに賛同するのはそう難しいことではなかったでしょう。
子どもたちが遊ぶものだからこそ、世界は多様であることを教えてくれる人形を……という思いが伝わってきますね。