刃物持った性的少数者の学生、警察が射殺 米アトランタ
米ジョージア州アトランタのジョージア工科大学構内で16日、武器を持っていたとされるLGBT(性的少数者)の学生活動家が、警察に射殺される事件があった。



調べによると、「刃物と銃を持った人物」が大学構内にいると通報を受けた警察が、コンピューター工学専攻の学生、スカウト・シュルツさん(21)と対決する形になった。シュルツさんは、開閉式の刃物を手にしていたが、通報と異なり銃は持っていなかったようだという。またナイフの刃は出ていなかったという情報もある。



学生が現場で撮影した映像では、複数の警官がシュルツさんにナイフを手放すよう命じているが、シュルツさんはこれを拒否。「撃て!」と言いながら警官たちに近づいて行くシュルツさんに、1人の警官が発砲した。



ジョージア州の捜査当局によると、シュルツさんは運ばれた先の病院で死亡した。ジョージア工科大学警察の警官にけがはなかった。発砲した警官の名前は公表されていない。



シュルツさんの母親リンさんによると、シュルツさんは「スコット・シュルツ」として生まれたが、後に「スカウト」と改名。自分は性的に男性でも女性でもないと自認していたという。様々な健康上の問題があり、うつの症状で苦しみ、2年前には自殺未遂もしていたという。



リンさんは地元紙アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションに対して、警察は発砲するべきでなかったと批判。「辛子スプレーや麻酔銃など、死なせない手段をなぜ使わなかったのか」。



同紙によると、リベラルな政治活動に参加し、ジョージア工科大学の性的少数者団体「プライド・アライアンス」の会長を務めていた。



同団体はフェイスブックで、「今回の出来事をみんな深く悲しんでいる」と声明を発表。「(They)は2年前からプライド・アライアンスの活動の中心にいた。もっと色々なイベントをやるよう、我々にはっぱをかけていた」と書いた。



女性でも男性でもない性自認のシュルツさんは、「he」や「she」と言う性別を限定する代名詞の代わりに、「they」と呼ばれることを望んでいたという。
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