「彼の親にバレるのが怖い」LGBTカップルの悩ましき帰省
 彼氏・夫の家族と会うのは、正直に言って気が重いという人は多いでしょう。義理の家族に話したくないことがある場合は特に。今回は、そんな人の正月里帰り体験談をご紹介します。



◆事実婚夫婦の悩ましき帰省



 都内のバーで働くスミレさん(仮名/32歳)は、彫りの深い顔立ちがエキゾチックな長身のスレンダー美女。今年の正月に、付き合って4年になる3歳年上の彼の両親へ会いに行ったそうです。



「私たち、結婚はしないんです。だから彼の両親に会うつもりもなかったんだけど、彼が帰省の度に『彼女は?』『結婚は?』って聞かれるのがうっとおしくなったらしくて、一度紹介だけ……って言われて、仕方なく」



 スミレさんと彼は、入籍はしないけれど、事実婚として一生添い遂げることを昨年の夏に誓ったばかり。それも帰省を後押ししたといいます。



 とはいえ、彼の両親に会うのはかなり勇気が必要だったそう。というのも、実はスミレさん、生まれてきたときの性別は男性だったのです。



「物心ついたときから、みんなと違うなって気づいていました。だから高校卒業と同時に上京して、この世界に入ったんです」



 そして今の彼と出会い、プロポーズされたそう。



「戸籍上の問題で籍は入れられないけど、私たちは夫婦。だから彼の両親に挨拶へ行くべきだとも思ったんだけど、もしバレたらって思うとすごく怖かったですね」



◆楽しい宴の後に…



 細心の注意を払って向かった彼の実家。滞在時間もできるかぎり短めにしようと計画していたスミレさんと彼でしたが、事態は思わぬ方向に進みます。



「今まで一度も浮いた話のなかった息子が綺麗な女の子を連れて帰ってきたって、ご両親が舞い上がっちゃって。彼の兄夫婦も帰省していたので、飲めや歌えの大騒ぎになっちゃったんです(笑)」



 喜ぶ両親の姿が嬉しかったのか、普段はお酒の強い彼も泥酔。スミレさんもかなり酔いが回り、その日は急遽、彼の実家へ泊ることに。そして迎えた翌朝……。



「目が覚めてとりあえずトイレに行こうとしたら、洗面所でお兄さんにバッタリ遭遇しちゃったんです。そしたらお兄さん、フリーズしちゃったのよね」



 義兄の目線の先には、盛り上がったスミレさんのアソコが……。



「二日酔いと寝ボケてたのとで完全に気を抜いてました。急いで部屋に戻って彼に説明したけど、あとの祭りで……」



 すぐに義兄を部屋へ呼び、事実を打ち明けたというスミレさんと彼。義兄は困惑を隠しきれない態度ながらも、黙認してくれることになったそうです。



「そのあとのお兄さんは、まるでお通夜に参列しているみたいな顔でうつむきっぱなし。まぁ、周りは二日酔いだと思っていたみたいですけど(笑)。私たちも早々に失礼したので、被害は最小限で抑えられたって感じだけど、もう二度と行けません……」



 素敵な家族だったからこそ心に痛みも感じたというスミレさんですが、割り切ることにしたそうです。



 LGBTカップルは、親に話すか黙っているかで悩む人も多いそう。どっちにしても、当人たちが幸せなら、それが一番ですよね。
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